歯周病は歯のまわりの「歯ぐき」「歯肉」が喪失する病気で、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶ける病気です。それに伴い歯ぐきが腫れたり、グラグラと動くようになり、最終的には抜けてしまいます。
歯周病治療
Periodontal disease
Periodontal disease
歯周病は歯のまわりの「歯ぐき」「歯肉」が喪失する病気で、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶ける病気です。それに伴い歯ぐきが腫れたり、グラグラと動くようになり、最終的には抜けてしまいます。
サイレントディジーズ(静かなる病気)とも呼ばれ、むし歯と違い「強い痛みなどが無く進行」するのが特徴です。ゆっくりと忍び寄る怖い病気です。歯槽膿漏と言われることもあります。
歯の病気ではむし歯が有名ですが(むし歯は第2位)、それよりも歯を失う原因として、多いのが歯周病です。
8020推進財団より作図
H28年歯科疾患実態調査によると、35歳以上の国民の約8割が歯周病または歯周病予備軍であると報告があります。その後年齢に比例して歯周病は進行していきます。
H28歯周疾患実態調査より作図
タバコを吸う人は、吸わない人に比べ歯周病にかかるリスクが高くなり、歯周病の治療効果も半減します。もちろんアイコスなどの加熱式タバコもニコチンが含まれている為、同様にリスクがあります。当院では、禁煙指導も含めてサポートさせていただきます。
「糖尿病になると歯周病になりやすく、歯周病になると糖尿病になりやすい」
糖尿病と歯周病は相互作用があり、歯周病治療の前に、血糖値のコントロールが必要になってきます。また歯周病治療を行うことにより、血糖値を安定させることができます。
歯と歯肉(歯ぐき)の隙間の深さを歯周ポケットと呼び、その深さを測る検査:通常1~3mmが正常範囲。4mm以上だと異常と判定します。
当院では、コンピューターでデータを管理しているため、比較や経過を追うことが容易に出来ます。
専用の染め出し液を使用しプラーク(歯垢)の付着率を計測することにより、磨き残しや、苦手な場所がわかります。これを元に磨き方や磨く器具などを指導いたします。
X(エックス)線撮影を行い歯槽骨の状態をチェックします。歯周病と判断されたら撮影することをおすすめします。
CT撮影
立体的な画像により、歯槽骨の状態をより正確に確認できます。ポケット検査やX線検査で追加で必要と判断した場合に撮影します。
歯周病が重度で進行が速い場合に、必要に応じて検査を勧める場合があります。悪玉の歯周病菌の特定が可能で治療により除菌できたかの判定が可能になります。
歯周病は一度進行してしまうと、元には戻らない病気です。そのため、歯周病が見つかったら早期の治療をお勧めします。また、歯周病にならない為の予防処置がもっと大切になります。
歯ぐきが腫れている状態で歯槽骨(歯を支えている骨)に問題が無い場合。歯磨きすると歯ぐきから血が出たり、口臭があったりします。比較的若年層に多いです。
原因としては、
などがあります。
治療法
歯石取り(スケーリング)
歯面に歯石が付着していると、そこに歯垢(プラーク)が付着し、歯磨きで歯垢の除去が難しくなるので、歯石の除去を行います。
歯磨き指導(TBI)
歯磨きが上手く出来てない場合は、歯科衛生士が患者様一人ひとりにあった歯磨き指導を行い、自力で改善する手助けを行います。
生活習慣指導
歯科の立場から、歯肉炎になりにくい生活習慣の指導を行います。
担当衛生士制による歯周病治療プログラム
歯周病治療の主役は歯科衛生士です。当院では担当歯科医師と担当歯科衛生士が治療プログラムを作成し、患者様にご説明いたします。その後、患者様と相談しながら治療プログラムを設定し治療を行います。こちらから治療内容を押し付けることはありませんのでご安心ください。
歯周ポケットが4mm以上あり、歯槽骨が溶けてきている状態です。
症状
歯肉炎が進行した状態が歯周炎(歯周病)です。
それに加え加齢も要因の一つなので、高齢になればなるほど注意が必要になります。また、糖尿病・喫煙・肥満も歯周病のリスクを高める要因となっています。
治療法
歯石取り(SRP)
歯肉炎に比べ歯石が歯ぐき(歯肉)の奥深くまで入り込んでいる場合があり、歯肉の下の歯石も除去する治療を行います。
歯磨き指導(TBI)
歯肉炎に比べ、より高度な歯磨き指導が必要になります。歯磨きの時間はかかるかもしれませんが、頑張った分の効果が期待できます。もちろん患者様のレベルに合わせた指導を行います。
生活習慣指導
糖尿病のコントロール、禁煙指導が必要な方は行います。食事や生活習慣の指導も行います。
かみ合わせ治療
かみ合わせやかぶせ物に問題がある場合は、治療を行います。
いわゆる歯ぐきの手術になります。これにより、従来であれば、定期的に腫れている歯や、抜歯を宣告された歯でも治る場合があります。
治療法
歯周再生療法(リグロス)保険適応
リグロスとは塩基性繊維芽細胞因子という薬剤で、歯周外科手術時に使用すると、血管新生・細胞増殖・創傷治癒などの作用により、失ってしまった歯槽骨の再生が可能です。
保険適応が可能の薬剤のため、費用の負担は少なく治療ができます。
科研製薬株式会社HPより
歯周再生療法(エムドゲイン)保険外治療
エムドゲインとはエナメルマトリックスデリバティブ(歯が作られるときに必要なタンパク質)で、歯周外科手術に使用します。費用が掛かりますが高い実績があり、様々な再生材料と併用できるメリットがある為、より確実に骨再生が可能です。
再発しない為のメインテナンス
歯周安定期治療(SPT)と呼ばれるメインテナンス治療が受けられます。手術後のメインテナンス治療は月1回のペースで受けることができます。
歯周ポケットが歯の根元まで進行し、歯槽骨が著しく溶けている状態です。歯の動揺や移動を伴うことが多く、様々な症状が現れます。
歯周病を放置していたり、歯周病が進行してしまったケースが多いです。また、歯周病の感受性が高く通常の人の何倍ものスピードで進行する方もいます。
治療法
抗菌療法(保険外治療)
歯周病原細菌検査と併用し抗菌療法で除菌を行うことにより、歯周病を食い止める治療。歯周再生療法と併用する場合もあります。
温存療法
大がかりな処置をせず定期的な歯垢・歯石を取る方法です。保存を希望した場合・年齢・全身疾患を考慮して、対症療法により温存する場合もあります。
抜歯
歯全体を考えて抜歯を勧めるケースもあります。
メインテナンス間隔は歯周病の重症度によって違います。
1ヶ月に1回
歯周外科を行った方もしくは、歯周ポケットが4mm以上で管理している方
3ヶ月に1回
通常の歯周治療により改善した方、年齢が高齢の方、歯石が付きやすい方
担当衛生士制による歯周病管理システム
歯周病治療はセルフケアとプロフェッショナルケアの両方が大切です。
逆に言えば、しっかりとセルフケアとプロフェッショナルケアを行えば歯周病は防げる病気です。担当衛生士制にすることにより、患者様一人ひとりに合ったいつも同じケアを受けられるメリットがあります。色々な歯の悩みを相談したり、生活レベルに合わせたケアを継続して受けられるので、安心して通院できます。