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こんにちは、北浦和かねこ歯科クリニックの事務長です。
今日は、私自身も実際に受けている「ボトックス治療」についてお伝えできればと思います。
「ボトックスって、美容のためにやるんでしょ?」
「まさか歯医者さんで受けられるなんて思わなかった!」
そう感じる方も多いかもしれません。
でも実は、ボトックスは歯科の分野でもしっかりと活用されている医療の一つ。
特に、食いしばりや歯ぎしりに悩んでいる方には、ぜひ知ってほしい選択肢です。
最初に、少し私自身の体験談をお話させてください。
私、実はかなり強い食いしばり癖がありました。
仕事中も無意識にグッと力が入っていて、朝起きると顎が重く感じたり、ひどい時は頭痛がすることもありました。
そしてエラがどんどん張っていく…
これらの症状は、社会人になってから感じるようになりました。(ストレス社会のせいでしょうか?笑)
歯科の世界にいるので多少の知識はありましたが、自分のあごの筋肉がここまで頑張り続けているとは…正直、驚きました。
しかもその影響で、歯のエナメル質が削れてきてしまっていたんです。
鏡で見ると、歯の山が平らになってる感じです。
さらに、骨隆起(こつりゅうき)といって、歯ぐきの内側に硬いコブのようなものまでできていました。
これも、強すぎる噛みしめの力が原因の一つです。
様々な歯科医院へ行ったことがありますが、どのクリニックでも「食いしばりすごいね~」とお褒め(?)の言葉をいただいていました。
また、夜間の歯ぎしりにも悩まされていて、ナイトガード(マウスピース)を作って、就寝時に毎晩装着するようにしていました。でも、それだけでは完全に改善とはいかず…。
そんな中で取り入れたのが、ボトックス治療でした。
ボトックスとは、「ボツリヌス菌」という菌からつくられるたんぱく質で、筋肉の動きをやわらげる働きがあります。美容目的での「しわ取り」などが有名ですが、医療ではさまざまな筋肉の過緊張をゆるめる目的で使われています。
歯科領域では、あご周りの筋肉(特に咬筋)に注射することで、食いしばり・歯ぎしりなどの症状を和らげる効果が期待できます。
ボトックスを打った後、最初の数日は「あれ?変化あるかな?」という程度でした。
でも、3日目を過ぎたあたりから、力が入りすぎない感覚が出てきたのです。
「今まで、こんなに無意識に噛みしめていたんだ…」と気づくと同時に、あごのだるさが減っているのを感じました。朝起きたときの顎の軽さが実感できました。
それと、ちょっとした副産物ですが…
顔まわりが少しスッキリしたんです。
咬筋って、けっこう厚みがある筋肉なので、そこがゆるむとフェイスラインが少しシャープに見えるんですよね。もちろん、美容目的ではなかったのですが(笑)、これはうれしい変化でした。
私のように、以下のような症状がある方には、ボトックスが選択肢の一つとしてとても有効です。
・食いしばりが強く、あごの疲れや頭痛がある
・歯がすり減ってきた、ヒビが入った
・ナイトガードをしているけど、それでも悩みが続く
・骨隆起ができてきた
・顎関節症の症状がなかなか改善しない
「でも、なんで歯医者さんでやるの?」という疑問もあるかと思います。
歯科医師は、噛み合わせ・あご・筋肉・神経といった構造を熟知していて、筋肉の働きとその影響を理解した上で治療を行います。
単に「打てばいい」というものではなく、症状に合わせてどこに・どれくらいの量を打つかを調整することが重要なんです。
また、必要に応じてナイトガードやマウスピースと組み合わせた治療も可能なので、総合的にケアできるのが歯科医院の強みです。
1. カウンセリングと診察
お悩みを伺い、筋肉の触診や噛み合わせの確認、咬合力の検査を行います。
2.注射(処置時間は15分ほどでした)
注射は非常に細い針で、数ヶ所に少量ずつ打ちます。痛みは一瞬、チクっとする程度でした。
3.数日〜1週間で効果を実感
効果のピークは2週間ほど。持続期間はおおよそ3〜6ヶ月程度といわれています。
※持続期間は個人差があります。
▼こちらの機械で検査をしています。
なお、禁忌症については、以下の通りです。
①妊婦、授乳婦、妊娠の可能性のある方
②ボトックスアレルギーをお持ちの方
③全身性の神経筋接合部の疾患をお持ちの方
④筋弛緩剤を内服中の方
また以下の点についてもご注意ください。
・保険適用外の治療であること。
・効果の感じ方や持続期間には個人差があること。
・副作用として、数日間は重たい感覚が残る場合があること。
・歯科医院では美容目的の施術はおこなっていません。
私自身、食いしばりのせいで歯が削れ、骨が出てきてしまうほどでした。
でも、「ボトックス」という選択肢を選び、あのいつも力が入っていた感じから解放されたときのラクさは本当に驚きでした。
「まさか自分が…」と思う方ほど、実は強い食いしばりの癖があることもあります。
少しでも心当たりがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
歯やあごの健康を守るために、こんな方法もあるんだということを知っていただけたらうれしいです。
執筆者情報:関根 航平(医療法人KDC 事務長) 複数の大手医療法人にて、人事部長や事務長として経営管理、バックオフィスを経験。理事長 金子英晴の医療へ向き合う姿勢に心を打たれ、現在は医療法人KDCの事務長として従事している。 |